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【獣医師が解説】犬がうんちを食べちゃう!食糞の理由と解決方法をアドバイス

うちの子、うんちを食べちゃうんです」という飼い主さんからのお悩み相談は意外と多いです。私たちから見るとうんちを食べるというのはかなりびっくりする行動であり、また、うんちを食べた口で犬に舐められたりするのは、あまり気持ちの良いものではないかもしれませんね。

うんちを食べてしまう行動は食糞(しょくふん)と呼ばれます。

実際の現場を見た飼い主さんは驚くと思いますが、特に子犬のうちは珍しいことではありません。注意が必要なのは、成犬になっても食糞が続くケースで、やめさせようと叱ってもあまり効果がないこともあります。

この記事では、犬の年齢別に見る食糞の主な理由と、おうちでできる食糞の対策を獣医師が具体的にお伝えします。食糞が気になっている飼い主さんはぜひ参考になさってください。

目次

【年齢別】食糞の理由

食糞の理由は、犬の年令によって違います。子犬、母犬、成犬に分けて解説します。

子犬は本能的に食べている

にゃーす

食糞の相談は、ほとんどが子犬のケースだよ

子犬の食糞は本能によるもので、以下のような理由が考えらています。

  • うんちの中のわずかな未消化物を摂取しようとしている
  • 母犬が子犬たちのうんちを食べているのをみて、まねをしている
  • うんちがなんだか分かっておらず、好奇心からとりあえず食べてみている

しかし、うんちから成長に必要な栄養を得ることは当然ながらできません。

時間が経てば、子犬たちはうんちのほかにおいしい食事があることを知り、行動範囲が広くなるに従ってうんち以外の周りのものに興味が移っていくので、段々と食糞は収まります。

母犬も本能によるもの

子育てをしている母犬は、子犬のお尻をなめて排泄を促します。出てきたうんちはそのまま母犬が食べてしまうことが多いです。また、寝床を清潔にして、うんちのにおいから敵に子犬の存在を気づかれないための本能的な行動とも考えられています。

排泄を促されなくても子犬が自分でうんちをするようになると、母犬の食糞は段々と収まっていきます。

成犬の食糞は、ストレスや飼い主さんの気を引くための行動である事が多い

成犬の食糞の理由には以下のようなものがあります。

  • ストレスや退屈を感じるとき
  • 飼い主の注目を自分に向かせたいとき
  • 子犬の頃の食糞が残ってしまった
  • 痴呆症の1つの症状

食糞の対策

食糞はしばらく様子を見ていれば収まるケースが多いですが、飼い主さんとしてはなるべくしてほくしないですよね。ここからは、主に成犬における食糞の対策を解説します。

子犬や母犬の食糞は、時期がすぎれば収まっていくことがほとんどなので、心配ありません。

一番の対策は、「すぐに片付ける」

犬の年令に関係なく、食糞をさせないための最も有効な対策は、うんちが出ているのを見つけたら、すぐに片付けることです。

中には、犬が嫌う匂いのするスプレーが販売されていますが、スプレーを吹きかけてうんちを置いておくよりは、さっさとうんちを片付けてしまう方が衛生的にも気持ち良いですね。

大声を出して叱ることはしない

食糞の現場を見かけたら、下のような行動で

  1. 落ち着いた声で「ノー」「ダメ」と一言
  2. 犬とうんちを引き離す
  3. 素早くうんちを処理

犬を叱っても、飼い主さんの目を盗んで食糞をするようになるだけで、あまり効果はありません。

飼い主さんに構ってほしくて食糞をしている場合、飼い主さんが大声を出したり、強く叱ったりすると、逆に構ってもらえたと喜んで食糞を繰り返すこともあります。

にゃーす

叩いたり、口をこじ開けたりすると、犬との信頼関係が崩れてしまうよ

日中の過ごし方を変える

成犬の食糞は、理由があっての行動です。刺激が少なかったり、飼い主さんにあまり構ってもらえないといった環境のストレスを感じていたりすると、食糞をすることがあります。

ストレス軽減のため、お散歩の時間を増やしたり、犬とふれあう時間を増やしたりしてみましょう。

コマンドトレーニングをする

犬がうんちに近づいていくような素振りを見せたら、「おすわり」や「待て」で犬の動きを制止し、うんちを片付けてしまい、その間静かに待つことができたらたくさん褒めてあげます。

うんちに興味を持たないほうがいいことがあると教えていきましょう。

他の子犬のうんちは食べないように注意

子犬を多頭飼育していると、他の犬のうんちを食べてしまうことがありますが、これは注意が必要です。

子犬の時期に発生しやすい伝染病の中には、うんちと一緒に排出されたウイルスや細菌などの病原体を介して感染が広がっていくものもあります。

また、子犬のうんちに寄生虫の卵が混ざっていた場合、他の犬や母犬に寄生虫が移ってしまうことも。この時期の食糞は本能的なところも大きいので、それよりは普段の健康管理をしっかりして、子犬が健康なうんちをするように気をつけましょう。

まとめ

今回の記事では、犬の食糞行動について、年齢別に理由や対策を紹介しました。

食糞はよくある行動なので、飼い主さんは落ち込まないで大丈夫です。特に、子犬や母犬は本能的にうんちを食べている事が多いため、時間が立てば自然としなくなることがほとんどなので安心してください。

成犬の食糞は、ストレスや飼い主さんに構ってほしい気持ちからしていることもあります。散歩の時間を増やしたり、一緒に遊んだりして、犬が毎日満足して過ごせるようにできることから始めてみましょう。

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