・朝も夕方も暑くて散歩に連れていくか迷う
・気温が何度になったら散歩はやめたほうがいい?
・散歩行かないと犬がかわいそうだから無理してでも行くべき?
にゃーす夏の散歩に不安を感じている飼い主さんはきっと多いよね
気温の目安をあげると、30℃を超えたら要警戒。散歩は早朝か夜だけにするのが安心です。
毎日病院でたくさんの飼い主さんに接している夫に「夏の散歩どうしたらいい?」と聞くと、返ってきたのは即答「無理に行かなくていいんじゃない?」。
でも、散歩の時間を減らしたり、散歩を休むのは罪悪感があるという飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。ですが、獣医師の視点では、無理して散歩に連れて行かなくてもいいのが正解のお家もあります。
この記事では、
- 夏の散歩が危険な理由
- 散歩に出るなら、何時・何度が目安か
- 「犬を無理して散歩に連れて行かなくてもいい」ってどういうこと?
- 運動量の多い犬種はどうしたらいい
- 夏の室内での過ごし方
など、暑い時期の犬の散歩についての疑問をまとめて解説します。
「危険な日は無理をしない」を前提に、愛犬と一緒に無理なく夏を乗り切っていきましょう。
夏の散歩はなぜ危険?犬が熱中症・肉球やけどになりやすい理由


まず、「人はまだ歩けるのに、なぜ犬はそんなに危ないの?」という疑問から整理しておきましょう。理由は大きく2つあります。
- 汗をかけず体温調節が苦手
- 地面に近く、裸足で歩いている
その1:汗をかけず体温調節が苦手
人は全身の汗で体温を調整できますが、犬はほとんど汗をかけません。その代わり、ハアハアと激しく呼吸する「パンティング」で熱を逃がすのが主な手段。
特に湿度が高い日は、パンティングをしても熱が下がりにくく、一層熱中症の危険が高まります。
その2:地面に近く、裸足で歩いている
真夏の直射日光を浴びたアスファルトは非常に高温になり、表面温度は60度になることもあると言われています。また、アスファルトは照り返しや輻射熱もとても強いです。
肉球がやけどをすると、表面が赤く腫れたり、水疱ができて破れてしまうこともあります。



人が感じる暑さと、犬が感じる暑さはまったく別物
とくに注意したい犬(短頭種・シニア・子犬・肥満・持病)
同じ気温でも、犬によって暑さへの危険度は大きく変わります。次のような子は、より慎重に判断してあげてください。
- 短頭種(パグ・フレンチブルドッグ・シーズーなど)…体の構造的にパンティングで熱を逃がす効率が悪い
- シニア犬・子犬…体温調節の力が弱く、体調を崩しやすい
- 肥満気味の子…熱がこもりやすく、呼吸への負担も大きい
- 心臓や呼吸器に持病がある子…暑さが大きな負担になりやすい
- 被毛の厚いダブルコートの犬種…熱がこもりやすい



熱中症のリスクが高いので、暑さ対策は万全に
散歩に出てOK?危険?迷ったときの判断基準3つ


「今日は散歩に行っていいのかな?」と迷ったときは、次の3つの視点で判断しましょう。
- 気温・湿度
- アスファルトの温度
- その日の愛犬の様子



数値だけでなく、愛犬の様子も見るのがポイントです
気温・湿度:25℃から要警戒、30℃以上は本格的な対応を
数値の目安も知っておくと判断しやすくなります。一般的には、次のように考えると安心です。
- 25℃〜:熱中症のリスクが出始める。
- 30℃〜:要警戒。涼しい時間以外は避ける
- 35℃(猛暑日)〜:原則として散歩は控え、室内で過ごす
つまり、気温だけで判断するなら30度以上は本格的な暑さへの対応が必要になります。



25℃は人だと半袖1枚で過ごせる目安の気温だよ
湿度も一緒にチェックして
ただし、気温だけで判断するのは危険です。湿度が高い日は、犬がパンティングをしても熱を逃がしにくくなり、同じ気温でも危険度がぐっと上がります。じめじめした日は、気温以上に慎重になってください。
また、環境省が発表する「熱中症警戒アラート」が出ている日は、犬の散歩も控えるのが安心です。
アスファルトの温度:実際に触ってみる
気温だけでは分からない「路面の熱さ」を知るのに、一番手軽で確実なのが、実際にアスファルトを触ってみること。散歩に出る前に、地面(アスファルト)に手を5秒間当ててみてください。
その日の愛犬の様子:歩きたがらない・伏せるは中止
最後は、数値よりも大切な「その子自身のサイン」です。一旦散歩に出たものの、次のような様子が見られたら、すぐに中止して涼しい場所で休ませたり、お家に帰ることを検討しましょう。
- ハアハアという激しい呼吸が止まらない
- 歩きたがらない
- 途中で伏せてしまう
- ふらつく
- よだれが大量に出る



無理をさせないことが何よりも大切
夏の散歩は早朝か夜が基本


夏の散歩は「早朝(日の出前)」と「夜(路面が冷めた遅めの時間)」が基本です。
- 早朝…理想は日の出前。気温も路面もまだ上がりきっていない時間帯です
- 夜…日が沈んでから、路面の熱がしっかり冷めた遅めの時間
日中(10〜17時ごろ)は、気温も路面温度も高く、外に出るのはNGと考えてください。
猛暑の日に散歩を見送るのはサボりではなく、愛犬を危険から守る、正しい判断です。
夕方が意外と危険な理由
ここで見落とされがちなのが、夕方です。日が傾いて涼しく感じても、日中に熱を溜め込んだアスファルトは、まだ熱いままのことが多いのです。



路面の熱さを触って確かめてから出かけましょう。
犬種ごとに違う、必要な運動量


暑くて今までより散歩の距離や時間を短くすると、
- 犬が運動不足になったりストレスがたまったりしないかな
- 散歩をサボっているみたいで、なんだか罪悪感がある
こんなふうに、自分を責めてしまう飼い主さんは、本当に多いです。



でも、どうか安心してください。
そもそも、犬に必要な運動量は、犬の体の大きさや犬種によって大きく変わります。
小型犬は普段の生活や室内での遊びだけで足りることが多い
小型犬など体の小さな子は、散歩に行かなくても室内で普通に動き回る生活をしていれば、それだけで運動量が足りていることが多いということです。さらに室内であそびながら体を動かせばなおいいでしょう。
運動要求量の高い犬種は「涼しい時間の散歩」が欠かせない
一方で気をつけたいのが、運動要求量の高い犬種です。ボーダーコリー、レトリバー系、柴犬などは、もともと「たくさん動くこと」を必要とするので、室内遊びだけだと物足りず、ストレスがたまってしまうことがあります。
他には、次のような工夫もあります。
- 水を使った運動…犬用プールや、早朝の川辺・海辺など。体温を上げずに全身運動ができ、夏の発散に最適
- エアコン完備の室内ドッグラン…有料施設ですが、猛暑日でも安全にしっかり走らせられる
前提として、あまりに暑い日は無理をしないこと
忘れないでいてほしいのは、飼い主さんと犬の健康を守るために、猛暑日は「運動を減らす勇気」も必要です。



命に関わる熱中症のリスクを冒してまで運動させる必要はありません
暑くて散歩に行けない日のおうちでの過ごし方


散歩に行けない分は、おうちの中でのあそびでちゃんとカバーできます。
実は、鼻や頭を使う遊びは、体を動かすのと同じくらい犬を満足させ、良い疲れをもたらしてくれます。運動量そのものより「満足感」を意識するのがコツです。
おうちでできる遊びの例をいくつか紹介します。
- ノーズワーク(おやつ探し)…部屋や箱におやつを隠して探させる。嗅覚をフル回転させるので満足度が高い
- 知育トイ…中におやつを入れて、転がしたり考えたりして取り出すおもちゃ。ひとり遊びにも向く
- 引っ張りっこ・持ってこい…廊下など安全なスペースで。短時間でもしっかり発散できる
- 簡単なトレーニング…「おすわり」「まて」などの復習も、頭を使うので良い運動になります
- 水遊び…犬用プールやベランダでの水遊びは、体温を上げずに全身を動かせるので夏にぴったり



行けない日は「頭を使う遊び」で満足度アップだよ!
また、「歩かせるのは心配だけど、外の空気も吸わせてあげたい」という日は、ペットカートを使うのもおすすめです。涼しい時間にカートに乗せてあげれば、熱いアスファルトから肉球を守りながら、景色やにおいといった外の刺激を楽しませてあげられます。
とくにシニア犬や短頭種など、長い散歩が負担になりやすい子は検討してみてください。
夏の散歩・暑さ対策におすすめのグッズの選び方


無理なく夏を乗り切るために、あると助かるグッズもあります。ここでは「散歩の質を上げるもの」と「行けない日の発散に役立つもの」の2つの視点で、選び方を紹介します。
散歩を少しでも快適・安全にするグッズ
- クールマット・クールベスト(クール服)…体を冷やして熱中症対策に。散歩時だけでなく室内でも使えます。選ぶときは、愛犬のサイズに合っていて、洗いやすいものが便利です
- 肉球の保護アイテム(保護クリーム・犬用シューズ)…アスファルトのやけど対策に。シューズは嫌がる子もいるので、まずは短時間から慣らすのがコツです
- 携帯用の給水ボトル…散歩中の水分補給に。こまめに飲ませられるワンタッチ式が使いやすいです
行けない日の発散に役立つグッズ
- 知育トイ…ひとり遊びでも頭を使えるタイプが、留守番や猛暑日に活躍します
- 犬用プール…運動量の多い犬種の水遊びに。使わないときは折りたためるものが収納に便利です
愛犬の体格・性格・暑さの耐性に合わせて、必要なものから少しずつそろえていくのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)


夏の犬の散歩について、よく寄せられる質問にお答えします。
まとめ:犬種に合わせて、時間帯を選びながら無理せず散歩を


夏の犬の散歩について、ポイントを整理します。
- 真夏のアスファルトは表面温度が60度になることも。犬は熱中症・肉球やけどのリスクが高い
- 迷ったら「気温・湿度+地面を触ってみる+その子の様子」で判断を
- 散歩は早朝(日の出前)と夜(路面が冷めた遅い時間)が基本
- 小型犬はそもそも室内での生活や遊びで運動量が足りていることが多い
- 運動量の多い犬種は「涼しい時間に短く外+室内で遊び」の合わせ技を
散歩に行けない日があっても、どうか自分を責めないでください。
猛暑の日に無理をしない選択は、飼い主さんが愛犬を守っている証拠です。危険な日は「行かない」と割り切る勇気も、大切な夏の健康管理のひとつ。判断の基準と行けない日の過ごし方さえ知っておけば、心配はぐっと減らせます。
愛犬と一緒に、無理なく夏を乗り切っていきましょう。




